「あなたはここに。私が戻るまで誰も部屋に入れないようにしてください。それから、服も着替えるように。血液がついています。脱いだ服は、とりあえずどこかへ隠しておいてください」
セイラムはてきぱきと影に指示を出す。
影にはセイラムの意図がわからない。
「どうするつもりだ…?」
「それは、私が決めることではありません。とにかく、誰も部屋に入れないように、それだけお願いします」
そして、セイラムはセルファの部屋にある隠された通路から、セルファを抱きかかえて出て行ってしまった。
一人になった影は、まずは言われたとおり服を着替え、脱いだ服をベッドの下に隠した。
影の胸に苦い気持ちが広がっていた。
もっと穏便にできたはずだ。
それなのに、セルファにミトを奪われると思い、冷静さを欠いてしまった。
セルファが自分に良い感情を抱いていないことはずっと前から知っていた。
だけど、ここまで憎まれているとは思っていなかった。
醜く歪んだセルファの顔。
あれは自分の顔だ。
ローザンのため、影武者として全うするべき自分が、国よりも自分の感情を優先させた。
ミトをセルファに渡したくないと思った、醜い自分の顔なんだ。
(オレもセルファを憎いと思った)
だから、あえてセルファの逆鱗に触れるような言い方をした。
ナイフも威嚇を込めて蹴り上げた。
まさか、そのナイフがセルファに振ってくるとは思わずに。
「何をしているんだ、オレは…」
影は深くため息を吐いた。
切り落とされた耳を元通りにするのは不可能だ。
自分も同じように耳を切り落とすことになるだろう。
これは罰だ。
(オレたち、二人への…)
影はセルファの部屋で一人うなだれた。
セイラムはてきぱきと影に指示を出す。
影にはセイラムの意図がわからない。
「どうするつもりだ…?」
「それは、私が決めることではありません。とにかく、誰も部屋に入れないように、それだけお願いします」
そして、セイラムはセルファの部屋にある隠された通路から、セルファを抱きかかえて出て行ってしまった。
一人になった影は、まずは言われたとおり服を着替え、脱いだ服をベッドの下に隠した。
影の胸に苦い気持ちが広がっていた。
もっと穏便にできたはずだ。
それなのに、セルファにミトを奪われると思い、冷静さを欠いてしまった。
セルファが自分に良い感情を抱いていないことはずっと前から知っていた。
だけど、ここまで憎まれているとは思っていなかった。
醜く歪んだセルファの顔。
あれは自分の顔だ。
ローザンのため、影武者として全うするべき自分が、国よりも自分の感情を優先させた。
ミトをセルファに渡したくないと思った、醜い自分の顔なんだ。
(オレもセルファを憎いと思った)
だから、あえてセルファの逆鱗に触れるような言い方をした。
ナイフも威嚇を込めて蹴り上げた。
まさか、そのナイフがセルファに振ってくるとは思わずに。
「何をしているんだ、オレは…」
影は深くため息を吐いた。
切り落とされた耳を元通りにするのは不可能だ。
自分も同じように耳を切り落とすことになるだろう。
これは罰だ。
(オレたち、二人への…)
影はセルファの部屋で一人うなだれた。



