大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ユフィ、大丈夫か!?」

さすがに慌てて駆け寄るセルファ。
ユフィーリオはしばらく声を出すこともできなかった。
口の中がまずくて顔をしかめる。
こんな姿をセルファに見られたくなかった。

セルファはグラスに水をくんでユフィーリオに渡した。
無言で受け取るユフィーリオ。
体を起こそうとしたら、セルファが助けてくれた。
少し水を含んで口をすすぐ。

「ごめん…、ベッドに行った方がいい。歩ける?」

ユフィーリオは首を横に振った。
吐いて少し楽になったが、まだ動けそうにない。
セルファはユフィーリオを抱きかかえてベッドに横たわらせた。
ずっと無言のユフィーリオ。
セルファも無言だった。

「わからないの…」

長い沈黙を破ったのはユフィーリオだった。
横になり、気分が落ち着いて、会話くらいはできる程度に回復したようだ。

「わからない?何のことだ…」

セルファは力なくユフィーリオを見た。

「セルファのことがわからなくなっちゃったの…」

ポロポロとユフィーリオの瞳から涙が溢れた。

「僕のことが?一体どういうことなんだ?ユフィの言っている意味がわからないよ」

「セルファは私のことが本当に好き?」

「何を言ってるんだ!」

セルファはユフィーリオの言葉に再び語気を強くした。
こんなに尽くしているのに、なぜそんなことを言われなければならないのか。
なぜ伝わらないのか。