大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

一方、ユフィーリオはあれからずっと別邸で過ごしていた。
日中公務でセルファとほぼ毎日会っているが、夜は4日に1度だけだ。
ユフィーリオの迷いは晴れない。
今も自分が誰を愛しているのか答えは出ていなかった。

それなのに、セルファが部屋にくると、結局受け入れてしまう。
セルファは毎回情熱的にユフィーリオを求め、そして必ず戻ってきてほしいと懇願した。
それでも、ユフィーリオは首を縦には振れなかった。
どうしてだか、自分でもよくわからない。
意地になっているのかもしれない。

セルファは公務のときも夜もとても優しいのだが、うっすらと常にイライラしているのがユフィーリオにはわかった。
そんなセルファを見ると、益々わからなくなる。

(私は誰が好きなの?)

初めて会ったときに心奪われた影?
それとも、ずっと一緒にいてくれたセルファ?
そもそも、本当にセルファはずっと一緒にいてくれた?
どこかで影武者と入れ替わっていたとしても、自分にはわからない。

今夜はセルファが来る日。
でも、もしセルファではなく影だったとしても、ユフィーリオは見抜ける自信などなかった。

公務を終え、別邸の自室へ戻るユフィーリオ。
疲れているのだろうか、気分が少し悪かった。
夕食も少ししか食べられず、入浴も軽く済ませ、ベッドに横になっていた。
もうすぐ、セルファがくる時間だ。
待ち望んでいる自分と、会いたくないと思う自分がいた。