「うっ…、なにそれ、私を泣かそうとして、わざと言ってるでしょ?」
「はは、そうかもな。なんなら、胸貸してやってもいーぜ」
「いらないわよっ」
即断るミト。
「ちっ、可愛くねーな。ま、その方がミトらしいけどな」
「うるさいな」
そう言いつつも、ミトの涙は止まらない。
「気が済むまで泣けばいいさ」
「ありがと…」
そしてミトは声を出して泣き始めた。
目の前で好きな女が別の男のことで泣いている。
それなのに、影はそう悪い気分ではなかった。
子どものように泣きじゃくるミトを愛しく思う自分がいる。
守ってやりたい、素直にそう思った。
しかし、自分にできるだろうか。
4日に一度、夜しか会えない自分に。
ミトはこれから先、ローザンの側室として人生を送らなければならない。
自由奔放なミトにとっては、辛いことも多いだろう。
そのとき、今夜みたいにそのままのミトを受け止めてやることならできるだろう。
それくらいならば、自分にもできるはずだ。
それで、少しでもミトの気持ちが軽くなるなら、それでいい。
自分はこれからずっと、そのままのミトを見つめていこう。
ミトが自分を見つけてくれたように。
影は立ち上がり、ミトの隣に移動した。
「うっ、うう…」
泣きじゃくるミトの隣に座って、恐る恐る手を伸ばして頭を撫でた。
ミトは涙でぐちゃぐちゃになった顔で影を見ると、抱きついて号泣した。
そのまま夜は更けていった。
「はは、そうかもな。なんなら、胸貸してやってもいーぜ」
「いらないわよっ」
即断るミト。
「ちっ、可愛くねーな。ま、その方がミトらしいけどな」
「うるさいな」
そう言いつつも、ミトの涙は止まらない。
「気が済むまで泣けばいいさ」
「ありがと…」
そしてミトは声を出して泣き始めた。
目の前で好きな女が別の男のことで泣いている。
それなのに、影はそう悪い気分ではなかった。
子どものように泣きじゃくるミトを愛しく思う自分がいる。
守ってやりたい、素直にそう思った。
しかし、自分にできるだろうか。
4日に一度、夜しか会えない自分に。
ミトはこれから先、ローザンの側室として人生を送らなければならない。
自由奔放なミトにとっては、辛いことも多いだろう。
そのとき、今夜みたいにそのままのミトを受け止めてやることならできるだろう。
それくらいならば、自分にもできるはずだ。
それで、少しでもミトの気持ちが軽くなるなら、それでいい。
自分はこれからずっと、そのままのミトを見つめていこう。
ミトが自分を見つけてくれたように。
影は立ち上がり、ミトの隣に移動した。
「うっ、うう…」
泣きじゃくるミトの隣に座って、恐る恐る手を伸ばして頭を撫でた。
ミトは涙でぐちゃぐちゃになった顔で影を見ると、抱きついて号泣した。
そのまま夜は更けていった。



