大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

(結局、いつも通りになってしまったわ…)

ユフィーリオは自己嫌悪に陥っていた。
自分がわからない。
影武者と夜通じ合う側室達に激しい嫉妬をしているのに、結局セルファを受け入れてしまう。

(私が好きなのは誰…?)

わからなかった。
セルファは自分にぴったりと寄り添い、そして寝息をたてていた。
無防備な寝顔も美しいセルファ。
セルファの顔を見ていると、やっぱり自分が愛しているのはセルファだと思う。
だけど、どうしても胸のモヤモヤは晴れない。

(あなたは本当にセルファ?)

自信が持てなかった。
だから、目を覚ましたセルファに「このまま一緒に部屋に戻ろう」と言われても、頷くことができなかった。

「どうして?僕の部屋でゆっくり話そう」

セルファは酷く驚いて熱心にそう言ってくれたが、ユフィーリオは首を振った。

「ごめんなさい…」

「一体何が気に食わないんだ?」

セルファの優しかった声に苦味が交じった。
ユフィーリオは返答に困る。
今、この複雑な気持ちをそのまま伝えてはいけないような気がした。
言いよどむユフィーリオに、セルファはもう一度優しく寄り添う。

「ユフィ、お願いだよ、君がいないと僕は寂しいんだ。君がいつも側にいてくれるから頑張れるんだよ」

セルファの本心だった。
一人が気楽だと思ったのは一瞬で、ユフィーリオがいなければ安眠できないほど寂しさを感じていた。
ユフィーリオもそう言われると、心が揺れる。
それでも、何も言わずにユフィーリオは首を横に振った。

「なぜだ」

セルファは落胆とイライラを隠しきれずにいた。
どうして思い通りにならない。

「ごめんなさい…」

謝ることしかできないユフィーリオ。

「わかったよ…!」

セルファはそう言うと、ベッドから出て衣服を身につけ部屋から出て行った。
もうとっくにノルマの時間は過ぎていた。