大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

次の日の朝食後、セルファは公務のためユフィーリオと顔を合わせた。

「おはよう、ユフィ」

笑顔でそう言ったが、ユフィーリオはセルファから目を逸らしてうつむいてしまった。

「昨夜はユフィがいなくて寂しかったよ。どうして別邸に戻ってしまったのか?」

肩に触れ、優しくユフィーリオに話しかける。

「あなたが疲れているみたいだったから、私がいない方がゆっくり休めるかもしれないと思って…」

ユフィはセルファの顔を見ずに、小さな声で答えた。

「もしかして、怒ってる?」

周囲の目もある。
セルファはキスをするのは耐えて、ユフィーリオの顔を覗き込んだ。

「怒るって、どうして?」

「最近ゆっくり話をする時間を作れていない。申し訳ないと思っているんだ」

「そんなことないわ」

ユフィーリオはセルファからすっと離れた。
セルファはそれが気に食わない。

「昨日、宮内で迷ったそうだね」

今度はユフィーリオの手を掴んでそう聞いた。
ユフィーリオは答えない。

「珍しいじゃないか。ユフィがまっすぐ部屋に戻らないなんて。何かあったのか?話を聞いて心配したんだよ」

(用がなければ私は部屋にいなければならないの?)

ユフィーリオはセルファに反発を感じた。

「別に、何もないわ。ミト様の真似をしてみただけ。私がお城の中を自由に歩き回っても、何の問題もないでしょう?」

ユフィーリオは相変わらず目を合わせぬまま、セルファに少し強い口調で訴える。