そして公務の時間になった。
ユフィーリオはセルファにあの場所について聞いてみようと思っていた。
自分と出会ったことは覚えてなくても、場所は知っているかもしれない。
しかし、セルファは来賓を迎える直前にやっとユフィーリオの元に来たため、すぐに出迎えなければならなくなった。
食事が終わると、セルファは「じゃあ、また」と、短く言って立ち去ってしまった。
結局私的な話を全くできなかった。
それだけセルファが忙しいのだと理解している。
だけど、ユフィーリオはまたもや孤独感に押しつぶされそうだった。
ちょっと前までは、どんなに忙しくても、きちんと目を見て別れを惜しんでくれた。
そして、短いキスを必ずしてくれていたのに。
また泣きそうになって、慌てて思考を止めた。
これから王宮散策をしよう。
自分であの場所を見つけるのも、良いかもしれない。
「私、このまま王宮の中を歩いてみようと思うの」
そう言うと、ユフィーリオが結婚する前からの侍女のミリナは驚きの表情を隠さなかった。
「なぁに?そんなにビックリすること?」
「ええ、そんなことを仰るのは初めてでしたので…」
「誰かの影響を受けたのかもしれないわ」
ミトの名前を口にするのは嫌だった。
「ダメかしら?」
そう言うと、ミリナは慌てて首を振った。
「いいえ、とんでもございません。
最近のユフィーリオ様のこと、実はとても心配をしておりました。王宮をお散歩されることで、少しでもユフィーリオ様の気持ちが晴れるのでしたら、どこまでもお供致します」
ミリナは嬉しそうな笑顔を見せた。
「ありがとう」
優しい言葉に、ユフィーリオはまた涙が出そうになる。
ミリナはユフィーリオにとっては年の離れた姉のような存在だった。
「気ままに歩いてみようと思うの」
ユフィーリオはそう言うと、宣言通り目的もなく歩き出した。
ミリナは「かしこまりました」と言うと、後は何も言わずにユフィーリオの後に従った。
ユフィーリオはセルファにあの場所について聞いてみようと思っていた。
自分と出会ったことは覚えてなくても、場所は知っているかもしれない。
しかし、セルファは来賓を迎える直前にやっとユフィーリオの元に来たため、すぐに出迎えなければならなくなった。
食事が終わると、セルファは「じゃあ、また」と、短く言って立ち去ってしまった。
結局私的な話を全くできなかった。
それだけセルファが忙しいのだと理解している。
だけど、ユフィーリオはまたもや孤独感に押しつぶされそうだった。
ちょっと前までは、どんなに忙しくても、きちんと目を見て別れを惜しんでくれた。
そして、短いキスを必ずしてくれていたのに。
また泣きそうになって、慌てて思考を止めた。
これから王宮散策をしよう。
自分であの場所を見つけるのも、良いかもしれない。
「私、このまま王宮の中を歩いてみようと思うの」
そう言うと、ユフィーリオが結婚する前からの侍女のミリナは驚きの表情を隠さなかった。
「なぁに?そんなにビックリすること?」
「ええ、そんなことを仰るのは初めてでしたので…」
「誰かの影響を受けたのかもしれないわ」
ミトの名前を口にするのは嫌だった。
「ダメかしら?」
そう言うと、ミリナは慌てて首を振った。
「いいえ、とんでもございません。
最近のユフィーリオ様のこと、実はとても心配をしておりました。王宮をお散歩されることで、少しでもユフィーリオ様の気持ちが晴れるのでしたら、どこまでもお供致します」
ミリナは嬉しそうな笑顔を見せた。
「ありがとう」
優しい言葉に、ユフィーリオはまた涙が出そうになる。
ミリナはユフィーリオにとっては年の離れた姉のような存在だった。
「気ままに歩いてみようと思うの」
ユフィーリオはそう言うと、宣言通り目的もなく歩き出した。
ミリナは「かしこまりました」と言うと、後は何も言わずにユフィーリオの後に従った。



