大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

セルファがようやく満足して体を離してくれたとき、ユフィーリオは気力を振り絞って話しかけた。

「ねぇセルファ、少しお話しましょう…?」

「んん?ああ、いいよ…」

セルファは息を整えながら、仰向けになった。

「あの、あのね…」

何と言えば良いんだろう。
ユフィーリオは自分の今の気持ちをどう伝えたら良いのかわからなかった。

「セルファ…、少し、変わったね…」

「僕が?」

「うん…」

「どこが変わった?」

声が少し不機嫌になったような気がした。

「具体的には、わからないんだけど…、ちょっと前とは何か変わったような気がするの…」

「気のせいだよ」

こんなとき、以前のセルファならユフィーリオに心配をさせないよう、優しく手を伸ばして抱きしめてくれたはずだ。
しかし、セルファは気だるい様子で仰向けになったまま、ユフィーリオの顔も見ない。
ユフィーリオは、その態度に怒りを感じた。

「ううん、気のせいなんかじゃないわ」

少し語気が強くなる。
セルファは面倒そうな視線をユフィーリオを向けた。

(そんな目で私を見ないで!)

「前は、もっともっと私を大事にしてくれたわ。いつだって、優しい目をしてくれた。セルファの胸の中にいるだけで、私すごく幸せだった」

ずっと言葉に出せなかった不満をユフィーリオは吐き出す。
セルファは片手で顔を覆った。

「今だって大事にしてる」

「そうかしら?最近体ばかりで、それで誤魔化そうとされてるように感じるわ」

「何を言ってるんだ。ユフィーリオだって僕を求めているじゃないか。それともまだ満足できないって言うのか?」

セルファは不機嫌さを隠さない。

「違う、そんなこと言ってない」

ユフィーリオは必死に伝えようとした。
自分が言いたいのはそんなことじゃない。

「意味が解らないよ。疲れてるんだ、勘弁してくれないか?
明日も予定はいっぱいだ。寝る間を惜しんで君との時間を過ごしているのに、何が不満なんだ」

セルファはユフィーリオに背を向けた。