大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

次に紹介されたのは第二王妃のティアラ。
第二、とか第三、とついているが、それは階級の順番を表すものではなく、単純に嫁いだ順序を示すだけで、第二以降は同等と認識されている。


ティアラは明るい金髪を一つにまとめ、名に相応しく、可愛らしい小さなティアラ風の髪飾りをつけていた。
濃い水色のシンプルなドレスに、大きなルビーのネックレスを身につけ、色の対比が印象的だ。
年はユフィーリオと同じ20歳。ユフィーリオとは対照的で、とても大人っぽく、色気があった。
性格もユフィーリオとは全然違うようだ。

「ごきげんよう。ミト様。退屈な王宮暮らしにうんざりしていたの。あなたが来てくれて嬉しいわ。平坦な毎日が、少しは面白くなりそうですもの」

セルファに連れられたミトが定型文の挨拶をぎごちなくすると、ティアラは華やかな笑顔で応えてくれた。
セルファに対して親密な態度を見せるわけでもなく、何となく一線を引いているような印象を受けた。
挨拶が終わると、「ではまた」と言って、さっさといなくなってしまった。