大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ご、ごめん…」

慌てて謝るセルファ。

「ううん…、私こそごめんなさい。睡眠時間が減って疲れているのはセルファよね。気遣ってあげられなかった私が悪いの…」

シクシクと泣くユフィーリオ。

「影武者が回復したら、また君だけの僕でいられるから、それまで辛抱してほしい」

セルファは粘り強く慰める。

「………」

こんなに尽くしているのに、ユフィーリオは何も言わってくれない。
セルファはイライラを隠せなくなった。
再び語気が強くなる。

「少し慣れてくれると正直助かる」

「ええ…、努力するわ…」

有無を言わさぬ力を感じて、ユフィーリオは頷くしかない。

「ありがとう」

セルファはユフィーリオに軽くキスをした。

「僕はそろそろ行かなければならない時間だ」

既に明け方から朝になっている。

「ユフィ、本当に大丈夫?」

ユフィーリオは無言で頷いた。

「ユフィ?」

(言い過ぎただろうか…)

急に心配になって、セルファはユフィーリオを覗き込んだ。
何とか笑顔を作るユフィーリオ。

「大丈夫。セルファのこと信じてるわ」

「ああ…。じゃあ、僕は行くよ」

「ええ、いってらっしゃい」

セルファは何度か振り向きながら部屋を出て行った。
セルファの後姿を笑顔で見送りながら、ユフィーリオの心はどんどん沈んでいく。
確かに、セルファは疲れているのだろう。それでも、自分以外の女性の部屋で寝過ごすのは、相手に気を許しているからではないのか。
どうしても釈然としない。