大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「どうした?ユフィ」

今はセルファの部屋のベッドの中だ。
素肌同士がふれあい、心地よい。

「え?」

「何か考え事をしているみたいだった」

影武者が見せた慈しむ眼差しと同じ瞳のセルファ。

「あなたがいて良かったって思っていたの」

そう言うと、セルファは嬉しそうに目を細めた。

(もしも、今目の前にいるセルファが影武者だったら、私はきっと気付けない…)

話だけの世界から、目の前に現れた影武者。
最愛のセルファと瓜二つの姿で。
ユフィーリオの中で、影武者が一気に生身の存在に感じられた。

だけど、それがなんだというのだ。
彼のお陰で、今こうしてセルファと一緒に過ごせている。

(それで、いいんだわ)

ユフィーリオはセルファにピタリと寄り添った。

(セルファの代わりになる存在なんて、この世にあるはずがないわ)

ユフィーリオはセルファの背に回した腕に力を込めた。