大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「ティアラは誰に聞いたの?」

「私の侍女よ。王宮のこと、別邸のこと、頼んでいないのに色々と報告してくるわ。それが自分の仕事の1つだと思っているんじゃないかしら。
私も興味がないってわけじゃないし、一応話はきちんと聞くことにしているの。普通だと思っていたけど、ミトのところは違うの?」

「う~ん、逐一の報告はないけど、でも情報は持っているのかなぁ~」

奔放なミトの監視に忙しいエイナたちだが、ミトの立場が悪くならないように、ローザンの人間関係等の情報は、しっかり聞き込みをしているかもしれない。

「まぁ、滅多なことはないでしょうけどね。さて、私は帰るって決めたことだし、これから準備を始めるわ」

そう言うと、ティアラは立ち上がった。

「片付けは私の侍女に頼むから、そのままでいいわよ。ミトは時間を気にしないでここにいて良いからね」

「ありがとう。ティアラ」

ティアラはウキウキとした笑顔で手を振った。

次の日は、久しぶりに4人の妃が揃った朝食となった。
ティアラはアルティナに帰ることを皆に伝え、午前には出国してしまった。