大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

「セルファもいないし、特にやることもないし、里帰りでもしようかしら」

アルティナはローザンの隣国だ。2日もあれば帰国ができる。

「それ、いいかも。私も帰っちゃおうかな。でも流石に1ヶ月で里帰りは怒られちゃうだろうな」

ラミリアもローザンの隣国である。同じく2日で帰れる距離だ。

「きっと今晩からユフィーリオも食堂に来るわ。セルファがいなければ王宮に泊まる理由がないもの。
彼女がこっちで過ごす時間が増えとアリアがライバル心燃やす対象が増えちゃって、益々雰囲気最悪になるわね。全く気が重いわ」

ティアラはきれいな眉をひそめた。

「あはは…、確かに」

ミトも力なく笑いながら同意する。
ローザンの生活には慣れたが、あの食事の雰囲気だけは未だ慣れない。

「決めた!私、アルティナに帰ることにするわ。そうと決めたら、早速手続きとらなきゃ。明日にはローザンを出発して1週間くらい滞在してくる。
帰国するセルファのために、たっぷりお土産用意して帰ってくるわ。もちろん、ミトが気に入ってくれた今日のチョコレートもね」

決断したら気持ちが晴れたのか、ティアラは明るい笑顔でウインクをした。

「うわ~!嬉しい!ありがとう!」

ミトは大喜び。

「ねえ、ミトも帰っちゃえば?」

「う~ん」

ティアラの甘い誘惑の言葉に、ミトはしばらく真剣に悩んだが、やはり気が引ける。

「とても魅力的な案だけど、やっぱり流石に里帰りは早過ぎるわ」

「思えばミトもタイミングが悪いわよね。嫁いで1ヶ月でセルファが10日間も不在になるなんて、あんまりな話じゃない。同情するわ」

ミトにとっては願ったり叶ったりなのだが、当然本音は言えないわけで。