大国に嫁いだ小国の姫は国家機密を知り影武者と取引する【完結】

開!!放!!感!!!

ミトはローザンに来て以来の開放感を感じていた。
恐らく出国したのは影の方だろうが、どちらにしろセルファに会う可能性は皆無。
夜の影の訪問もない。

なんという開放感。
影の忠告も右から左、ミトは王宮に繰り出すつもりだったが、寸前で思い直した。
とりあえず、初日は別邸でおとなしく過ごすことにする。

午前中は統計学の勉強を勧めた。
いつものように雰囲気の悪い昼食を済ますと、ティアラにお茶に誘われたので、喜んで応じるミト。
ティアラのお気に入りの中庭で、ティアラの母国であるアルティナのお茶とお菓子をいただく。
どちらもアルティナの名産物だ。

「あ~あ、セルファもいないし、ますます暇よね~」

お茶を飲む優雅な姿とは程遠く緩んだ声を出すティアラ。

「そうかな?元々昼はほとんど会わない人だし、あまり変わりないと思うけど…」

ミトは綺麗な花の形をしたチョコレートを一口食べた。

「あ、美味しい!」

思わず声が出る。

「ミトは相変わらず呑気ね。セルファがいないってことは、私たちがここにいる意味もないってことじゃない」

「そう?でもいないものは仕方ないし。せっかくだから楽しもうよ。
今、私とても楽しいわ。アルティナのチョコレートって初めて食べたけど、感動する味ね!」

ミトは大絶賛した。

「ありがとう。このチョコとお茶の組み合わせが、また最高なのよ」

(まぁ、この10日間は妊娠し辛い時期だし、私にとってはあまり影響がないけど)

ティアラは心の中だけで呟く。