ホスト科のお世話係になりました

ゴールドのリング部分はサイズを調節できるようになっていて、どの指にも合いそうだ。
値段も200円と格安で、色違いを買うことにした。

店内は見ているだけでとても楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまう。

ふたりでレジに並んだときにはもう30分くらいが経過していた。
「あれって……」

レジを済ませて外へ出たとき、見知った顔を見つけて私は足を止めた。

私服姿は初めてみるけれど、大通りの向こう側を歩いているのは汰斗で間違いなさそうだ。

あのクールな汰斗が笑顔で話をしているのは、見知らぬ女の子。

「嘘……」
思わず呟いて硬直してしまう。
汰斗が心を許して笑っている。