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シャワーを出た蒼也は、スマホにたまっているメッセージをチェックした。
――ん?
財務責任者からSNSの画面が転送されてきた。
須垣と蒼也がパーティーで話している写真が問題視されているというのだ。
あの時はただ挨拶をしただけで、業務に関する話はしていない。
今回の騒動に便乗して、あたかも情報が流出していたように見せかけるため、意図的に流されたらしい。
この画像にはすでに百を超えるコメントがついていた。
《インサイダー確定?》
《ヤバいだろ》
《これは決定的》
《通報案件》
《炎上確定》
脇が甘かったと言われればその通りだが、明らかに反社会的立場の人物でない限り名刺交換くらいはするし、写真を断ることもできない。
ただそれを悪用されたら誤解を鎮めるのは不可能に近い。
株式市場の取引開始まで三十分。
今日も波乱の一日になりそうだ。
蒼也はスーツをクリーニングサービスの袋に入れて玄関先に出し、新しいスーツに着替えるとオフィスへ向かった。



