悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

卒業パーティーの次の日「アルノート様から求婚された話、実は嘘でした」とルイザから打ち明けられた。
泣いている私を見たルイザは、どうにかして助けたいと咄嗟に打開策を考え、カルシスに助けを求めたらしい。

なお、泣いていた令嬢たちは本当にアルに遊ばれてしまったとのこと。
彼女たちのような被害者がいることは知っていても、被害者が誰なのかわからなかったルイザは、あぶり出すために自分が餌になったと言っていた。
ルイザのように地位の高い令嬢が暴露すれば、立場が弱い令嬢たちも自分の被害を言いやすくなるだろうと。

「思っていた以上に人数が多くて驚きましたけど」

そう言ってルイザは笑った。

「ルイザ様、この度は本当にありがとうございました」

「ジェリーナ様、今のご気分はどうですか?」

ルイザに聞かれて、私は即答できなかった。

「う~ん…、アルと婚約が白紙になったのは嬉しいけれど…。
今まで王妃になることだけを考えて努力してきたから、これからどうすればいいのか悩んでしまいますわ。
私、なにをすればいいのでしょう?」

今の状態を燃え尽き症候群と言うのかもしれないわね。

「ゆっくり考えればいいじゃないですか。お暇なら、こうして私とまたお茶をしてくださいませ」

すてきな笑顔を私に見せてくれるルイザ。