悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

国王陛下は場の雰囲気を変えるように、大きく2回手を叩いた。

「さあ、この話はこれで終わりにしよう。
皆、引き続き卒業パーティーを楽しんでくれ。
アル、お客様への挨拶があるだろうから一緒にきなさい」

「…はい…」

国王陛下に呼ばれて行かないわけにはいかず、アルは暗い表情で後に続いた。

え…と…。
もしかして…婚約発表はなしになった…のかしら…???

「良かったなジェリーナ。陛下はアルノート様との婚約を考え直してくれるようだ」

お父様にそう言われて、私はようやく事態を理解した。

「今まで辛い思いをしていたことに気づかず、すまなかった」

「お父様…」

見上げるとお父様も泣いていた。

「私、アルと結婚しなくていいの…?」

大きく頷くお父様。

「まだ確定ではないが、きっと陛下は最大の配慮をしてくださるだろう。
さすがにユーヴィスとフェルナンド、両家を蔑ろにするような決断をなさるお方ではない。
王太子妃選びは振り出しに戻ると思う。もしかしたら、外交のために他国から王妃候補を呼ぶかもしれないな」

「ほん…とう…ですの…」

「大丈夫。私がそうなるように陛下を説得してみせるよ」

「お父様!」

私は嬉しくてお父様に抱き着いてしまった。

アルと結婚しなくていいのね!
嬉しすぎますわ!!!
あんな男に抱かれるなんて、本当は絶対絶対嫌だったんですもの!!!
尻拭いをするのも、もううんざりですわ!

ホッとしたら、さらに涙が出てきて、もう顔がぐしゃぐしゃ…。
そんな私を優しく受け止めてくれるお父様。

少し落ち着いて周りを見渡すと、いつの間にかリリアは姿を消していた。
泣いていた令嬢たちもそれぞれの親に慰められながら、落ち着きを取り戻している。
国王陛下がどういう形で責任を取るのかわからないけれど、おそらく示談金や良い縁談の紹介などで解決するのだろう。