悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「冷酷で傲慢で酷い女だ。軽蔑するとおっしゃったのはアルノート様ですよね?」

「なんのことだ?」

まだしらばっくれるつもりなのね。
しかも語彙力がなくて発言がワンパターンだわ。
これで外国との交渉ができるのかしら…。
もう私には関係ないことだけど…。

…と言い切れない自分が本当に嫌になる。

「ジェリーナまで嘘をつき、僕を欺こうとするのか」

次から次へと嘘を言っているのは誰?
大きなため息が漏れた。
そんな私にアルはますます機嫌を損ねたようだ。

「王命には当然従います」

アルと会話をするのが苦痛で、結論だけを述べる私。
あなたに愛はないけれど、王妃としての役目は義務として果たすしかない。
私の立場で選べる選択肢はそれだけなのだから…。

「それでこそ私が見込んだ人材だ」

今まで一言も発せず事の成り行きを見ていた国王陛下が口を開いた。

「混乱した状況でも冷静さを失わず、多弁にならず、必要なことだけを的確に判断して発言する、さすがジェリーナだな」

私は恐れ多くて頭を下げた。

ああ…私の人生終わりましたわ…。
愛のない結婚生活を送りながら、国のために奉仕することになるのですね…。
結局、私は自分の意思より王命を優先するんですわ…。