悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「今泣いておられる令嬢たちも、アルノート様から求婚されたのではないですか?
本気にして信じて裏切られても、アルノート様に何も言えずに泣いていらっしゃるのでしょう?」

取り巻く周囲を見渡して、ルイザは劇場の女優のように朗々と発言した。

「そうですわ…。信じてって言われましたわ…!」

「私も…今だけじゃない。これからも一緒って言われましたわ…」

「結婚や婚約という言葉はなかったけど、私のことを愛してくださったと思っていましたのに…」

それに応えるように、泣いていた令嬢たちがアルからの求愛を訴え始めた。
もちろん、今日の出席者の多くは卒業生で、両親も来ている。
大切な娘が王子の戯れに巻き込まれたことを知り、表情をこわばらせている。
さすがにアルは何も言えなくなってしまったみたい…。

「最近のアルノート様はジェリーナ様と距離をとっていらっしゃるし、冷たく対応されているので、言葉を信じてしまいましたの」

そう言ったルイザは私に視線を向けた。
カルシスも私を見ている。
どうして私を見るの!?

ジェリーナ様がなさりたいように。

2人の目がそう物語っている。
もう…この兄妹は…。

「そんなことない。ジェリーナとの仲はずっと良好だ。そうだよな。ジェリーナ」

この期に及んで、アルは私にすがろうとしているみたい。
どうして私がいつまでも味方でいると思うのだろう…。
あなたが先に私を拒絶したのに。
強い怒りの感情が湧いてきた。