悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「申し訳ございません!」

リリアは再び床に突っ伏すように頭を下げた。

「やはりアルノート様にはジェリーナ様しかいませんよね。
アルノート様は博愛の御心で私に愛をささやいていてくれただけなのに、誤解して申し訳ございませんでした…!!」

「リリア…」

「リリア様、なにをおっしゃるの!?アルノート様は私にも求婚なさいましたわ!
身分も申し分ないと、本気で考えて欲しいと言われたんですのよ!」

「な、なにを!?僕はそんなこと一言も言っていない!」

「もちろん、ジェリーナ様がいらっしゃるから、恐れ多くてもお断りさせていただきましたわ!
リリア様だって、ずっとジェリーナ様がいらっしゃると訴えておられたではないですか!」

「だから何のことだ!?」

な、なにが行われているの?
私の目の前でアル、ルイザ、リリアが問答を始めた。

「リリア様から相談されたとき、心底驚きましたわ!
求婚は私だけがされていると思っていましたから。
だからこそ、リリア様が勇気を出して打ち明けてくださったことに感謝しているんですの。
ジェリーナ様がいらっしゃるのに、どうしてアルノート様から求婚されたと他人に相談できましょう!
リリア様、私に打ち明けてくださってありがとうございます。
アルノート様が多くの令嬢に求婚していた事実を知ることができましたわ!」

「嘘だ!ルイザ=フェルナンド!私を侮辱するのか!」

ルイザに迫ろうとしたアルを、カルシスが間に入って阻止した。

「アルノート様でも私の妹に手を上げることは見過ごせません」

静かにアルを見据えるカルシス。
国王陛下と王妃陛下は何も言わずにこのやりとりをずっと見ている。