「私のどこが傲慢だと言うの!?今までずっと王と王妃の命を受けて、死ぬほど努力を続けてきたわ。
学園に入ってからは、成績は常にトップ5に入るように言いつけられて、寝る間も惜しんで勉強してきたわ!
勉強だけじゃない!礼儀作法も、奉仕活動も、学園運営も、全力で取り組んできたわ!
それでも褒められず、次々と課題を与えられて、辛くても頑張ってきたのはこの国を守る王となるあなたの役に立ちたいと思っていたからよ!
傲慢になんてなれるはずないじゃない!
いつだって、強いプレッシャーの中落ちこぼれないようにひたすら努力を続けるしかなかった。
余裕なんてゼロよ!」

こんなに大声を張り上げて誰かに主張したのも初めて…。
もう、自分を止められない。
全部言ってやる!
私は大きく息を吸った。

「それでも、あなたのため、ウルティナのために頑張ってきた!それこそ、友達と会話する時間もない程にね!
そんな私が、わざわざリリア様に何かを命令するはずないじゃない!そんな時間なかったわよ!
私がリリア様を脅す?命令する?
そんな暇1分だってなかったわ。
誰か私とリリア様が2人だけで話している姿を見た者がいるの?
いないわよね!だって、そんな事実はないんだもの。
リリア様がでたらめをアルに伝えているだけでしょう。
そんなことも、あなたはわからなくなってしまったの!?」

「ちがっ…」

リリアが私の発言を遮ろうとするけど、そうはさせるものですか!

「それでも、アルがリリア様の方を信じるというのなら、仕方がないわ。
次期王であるあなたの命に背くわけにはいかないものね」

なんだか涙がにじんできた。

「本当に君は性格が悪いな」

どっちが!

「リリアと君が2人で話しているところを、ブライが目撃している」

「なんですって?」

まさか、ブライまでグルなの?
彼はアルの忠実な護衛だけど、中立で公平な人だと思っていたのに…。
思わずブライの方に顔を向けてしまった。
目が合った瞬間逸らされる。

「私に身に覚えはございません」

そんな事実はないのだから、全力で否定するわ!