悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

良く見ると、リリアは非常に可愛らしい顔をしていた。
身長は低いが、そこがまた可愛い。
それに、出るところはきちんと出ているのも良い。
抱き心地が良さそうだ。

僕は徐々にリリアに欲望を感じるようになった。
僕は所謂王子様で、リリアから見たらとても高貴な立場だ。
きっと僕に求められれば、拒むことはないだろうと思った。
しかし、距離を詰めようとするとはぐらかされる。
駆け引きかと思い、強引な手に出ると、キッパリと断られてしまった。

僕は思わず感動した。
僕の要求を拒むほど、リリアの貞操観念の強固さに。
自慢じゃないが、僕は容姿にも立ち振る舞いにも自信があり、モテる自覚もある。
誘って断られたことなど一度もなかった。

だから、人として、女性として、リリアに強い興味を抱いた。
これがきっかけで、本格的にリリアに惹かれ始めたのだ。

僕は本気でリリアを口説き始めた。
賢明に誠意と愛情を伝えた。
それでも、リリアは首を縦に振ってくれない。
呼び出せば応じてくれ、僕の話をいつも親身に聞いてくれ、そして僕を励ましてくれるのに、その先には決して進もうとしないのだ。

なぜだ?

僕にはわからなかった。
リリアはこんなにも僕に寄り添ってくれるのだから、好意があるに決まっている。
それなのに、一体何がリリアにブレーキをかけさせているのか。