「あら、他にいらっしゃるの?
さっきの発言、随分と熱がこもっていらっしゃったけど。
アルじゃないなら、誰なんですの?」

やめて…追求しないで…。

「そ、そんな男がいるのか?リリア…」

アホ王子は黙ってろ。

「そ、それは…」

「リリア…」

だから、黙ってろっつーの。
縋るな。

「言えないってことは、やっぱりあなたがアルに近づいたってことでよろしいですわね?」

「だから…」

ああ!言い訳が思いつかない!
大ピンチ!

「結局、あなたは自分を正当化したいだけですわね」

「…もう、それでいいです。
それでいいので、婚約破棄はなかったことにしてください。お願いします」

ダメ元でお願い作戦に切り替えてみる。

「なぜだリリア!
やっぱり君は僕を好きなんだろう!?なら、僕と結婚してくれ!」

「なんで私がリリア様のお願いを聞かなければならないのですか?
ある意味ご自分で蒔いた種。
ご自分で責任をとってくださいませ」

「あー…そうだった…。この流れじゃダメだった…」