悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「そうですよね?アルノート様。
私は自分の立場をわきまえなきゃならない立場ですから、今までアルノート様に何ひとつ逆らうことなく、常に笑顔で接してきました。
だって、対等じゃないから、怒りを買うのが恐くてそうするしかなかったんです。
その中で、何としても婚約破棄の流れを変えたくて頑張ってきたんですけど。
アルノート様はそんなことには一切気付かず、愚痴や不満を私に聞かせて発散していたんですよね。
ジェリーナ様に言ったら、今みたいに努力と根性論を語られた上にお説教ですもの。言えるはずないですよね」

私はわかってたよ。
なんだかんだ言いつつ、アホ王子は常に私を下に見ていたこと。
自分より圧倒的弱者だから、安心して弱音を吐いて自分の好きなように解釈して、思い通りにしようとしていたんだ。

「リリアを不満のはけ口にしていたわけじゃない…」

私にとっては、不満のはけ口そのものだったよ。
アホ王子も国を背負うために努力していたのは知ってたから、ほんの少しだけ同情したけど、それが良くなかったのかもしれない。
愚痴、不平不満のオンパレード。

きっと今まで吐き出せなかったんだろうね。
積もり積もったものを吐かれて、私も辛かった。
求愛されてからは毎日が地獄。
だから、もう終わりにして!

「アルノート様も大変だなって思ってましたから、私も同情したし話は聞きましたけど、でも、それだけなんです。
もう一度キッパリ言わせていただきますが、アルノート様に恋愛感情はありません。
皆無。ゼロです。ごめんなさい。申し訳ないです。本当に。見逃してください…」

マジでお願いします…。
私を許して解放してください…。