悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「あなたにそんなことを言われる筋合いはありません。
それに、アルを愛しているからこそ、私は努力を続けてきたのです」

ほら、怒った。
でも、私の口はもう止まらない。

「愛しているなら、なんで簡単に婚約破棄を受け入れるんですか?
そもそも、本当にこの国の上に立つ使命を持っているなら、なんとしてもこの危機を乗り越えるべきですよね?
私みたいな田舎のアホ女が王妃になったら、この国終わりだと思いません?
私は思います!!!」

結局アホ王子もド真面目女も、国の上に立つ者の義務を軽んじているんだ。
自分の欲望とプライドを守ることに必死な人たち。
それに振り回され、自分の感情を押し殺して付き合わされてきた私の身にもなれ!
ここで婚約破棄するのは、どう考えても国のためにならないんだから、いい加減自分たちの役割を思い出してくれ!
何より私のために婚約破棄しないでくれ…。

「こんな酷い扱いを受けて、なぜ私が乗り越える努力をしなければならないのですか!?
私にも心があります。一方的に婚約破棄を言い渡されて、立ち向かえるほど図太い神経しておりませんわ!」

もうやだ!
やっぱり自分のプライドが一番の人なんだ。
当然だけど、私の立場なんて考えてくれるはずもない。
心なら私にだってあるのに。

「それって、プライドが高いだけじゃないですか。
国の安泰より自分のプライドを守るんですか?
そのプライドの高さがビンビンに伝わってくるから、アルノート様が癒しを求めて私みたいな徹底的下級女の元に逃げ込んでくるんですよ」

「徹底的下級って…」

あ、アホ王子が反応した。
おまえが一番わかってないわ。