悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「身に覚えがございません。けど、それを信じてくれないというなら、仕方ありませんね。
でも、言わせていただきたいことがあります」

「なんだ?言ってみろ。最後だから聞いてやる」

「アル、あなたの婚約者がどんな役割を担うのか、知らないはずないわよね?
あなたはウルティナの国王になる人。その婚約者は王妃となる人よ。
リリア様にそれが務まると本当に思ってるの?」

そーだそーだ!
いーぞいーぞジェリーナさまー♪

「ほら見たことか!そうやって、いつもリリアをいじめていたのだろう。人を見下して、どこまで傲慢なんだ」

アホ王子黙れ。

「私が傲慢ですって?
私のどこが傲慢だと言うの!?
今までずっと王と王妃の命を受けて、死ぬほど努力を続けてきたわ。学園に入ってからは、成績は常にトップ5に入るように言いつけられて、寝る間も惜しんで勉強してきたわ!
勉強だけじゃない!礼儀作法も、奉仕活動も、学園運営も、全力で取り組んできたわ!
それでも褒められず、次々と課題を与えられて、辛くても頑張ってきたのはこの国を守る王となるあなたの役に立ちたいと思っていたからよ!
傲慢になんてなれるはずないじゃない!
いつだって、強いプレッシャーの中落ちこぼれないようにひたすら努力を続けるしかなかった。余裕なんてゼロよ!」

ジェリーナ様が一気にまくしたてる。
この人も相当プレッシャーがかかっているんだろうな。
ド真面目だもんね。全部背負っちゃうんだ。
不器用な人だな…。