悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「本当に君は酷い女だな。こんなに優しいリリアに、僕に近づかないよう嫌がらせを何度も行っていたんだろう?」

「そうじゃありません!」

まだ言うかアホ王子!

「アル…。私と婚約破棄してどうするつもり…?」

おお!?
ついにジェリーナ様が口を開いた。
どうか、どうかアホ王子を説得してくださいっ!

思わず期待の眼差しを向けてしまった。

「ふんっ。君には関係のないことだろうが、教えてやろう。ここにいるリリアと正式に婚約を結ぶ」

んぎゃー!違うっ!

「だから、待ってくださいってば!」

「リリア様。あなたは黙っていてくださる?これは、私とアルの問題です」

その通り。私は完全なる部外者。喜んで黙ってます。
だから、ジェリーナ様お願いっ!

「本性を現したな。何様なんだ君は。リリアはいつだって君を思いやって庇っていたんだ。それなのに、本当に嫌な女だな」

「リリア様がどんな言動をとっていたのかなど、私が知るはずがありません。彼女とは殆ど接点がないのですから」

その通りです!

「ウソをつくな。君はずっとリリアを脅していたんだろう?」

ああ、こいつを殴りたい。
黙れ何も言うな。