悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「あ、あのっ!」

私は顔を上げた瞬間に腕を伸ばし、アホ王子と距離をとった。

「卒業パーティーでいきなり婚約破棄を通告するのは、皆さまをあまりにも驚かせてしまうのではないでしょうか?
それに、国王や国賓もいらっしゃいますし、中には非礼と受け取られる方がいらっしゃるかもしれません」

頭をフル回転させる。
何としても、卒業パーティーでの婚約破棄は回避しなければ。

「ふむ…」

アホ王子は私の発言を婚約受理と解釈したようで、納得顔でちょっと考えるふりをしている。

「確かに…リリアの言う通りだな。君はやっぱり聡明だ」

いや、普通誰でも思いつくだろ。

「とんでもございません」

それでも愛想笑いをする私。
ああ…早く卒業してアホ王子から逃げ出したい…。

「しかし、このままだと卒業パーティーが僕とジェリーナのお披露目になってしまう。それはさすがに問題だ」

いや、それでいいんだってば!
このままうやむやに2人くっつくのが、一番平和的解決でしょ。

「やはり、卒業パーティーでジェリーナに伝えるしかない」

ふりだしに戻る…!!!

「では!卒業パーティー前にジェリーナ様を個人的に呼び出して伝えるのはいかがでしょう?
周りに人がいないほうが、アルノート様のお気持ちをきちんと伝えられると思いますし!」

私は咄嗟に代案を出した。

ああ…これって、婚約破棄伝えていいよって解釈されるよね…絶対…。
でも、卒業パーティーだけはマジで止めて。
モロ断罪イベントじゃん。