「いや、ですから、私がアルノート様と婚約など、恐れ多いです。
どうか考え直してください」

「嫌だ。僕はリリアとずっと一緒にいたい。
いくら王族でも、愛のない夫婦生活などまっぴらだ」

「ジェリーナ様はアルノート様を愛しておられます!」

「ジェリーナが僕を?そんなはずないじゃないか。
彼女はいつだって冷徹だ。僕の弱音など一切聞いてくれない」

「それもジェリーナ様の愛の示し方です」

ああ、なんで私がこんな目に合わなければならないの!?
王族なんだから政略結婚くらい納得して受け入れてよ。
っつーか、2人の問題に私を巻き込むなっつーの!

「もうジェリーナを擁護する必要はないんだよ。僕が彼女の嫌がらせから君を守るか」

「何度も申し上げていますが、嫌がらせなど一切されておりません!」

「ふっ…。いいんだ。もう頑張らなくていいんだよ、リリア」

あああーーーー!!!!!

叫びたい気持ちを必死に抑える。
誰か!このアホ王子を何とかしてくれ!!!