悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

どうしてだろう…。
普段なら「頑張るのは当たり前」と思うのに、ルイザの言葉から優しさが胸に染みる。
全てを吐き出してしまいたいという欲求に駆られる。

でも、さすがに言うわけにはいかないわ。
これは、私だけの問題ではないのですもの…。

「本当にありがとうございます。でも、大丈夫です。
泣かせていただいたら、スッキリしましたわ」

がんばって笑顔を作る。


「そうですか…。わかりました。
では、一緒に会場まで行きましょう。
あ、その前にお化粧を直した方が良さそうですわね」

ルイザはにっこりと笑った。

その後、私はルイザに付き添われて控室に戻り、化粧直しをした。
彼女が少し先を歩き、人と会わないように調整してくれたのはとても助かった。

「ルイザ様は、どなたにエスコートを頼まれたんですか?」

卒業パーティー会場までの道中、ルイザに聞いた。
これ以上彼女に迷惑をかけるわけにはいかない。

「今日はお兄様に来ていただいているんです」

ルイザは簡潔に答えただけだった。
私について何も聞いてこない気遣いが嬉しい。

「そうなんですね。では、ここで大丈夫ですわ。
カルシス様を待たせては申し訳ないですし、もう元気になりましたから」

カルシスはルイザの兄の名前だ。

「そう…ですか…。わかりました。
では、のちほどパーティー会場で」

ルイザは最後まで優しい笑顔で私を送り出してくれた。
彼女がいて良かった…。
1人だったら、あの後私はどうしていただろう…。