悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「ブライ様のスマートな仕草やいつも冷静で適切な行動をとられるところに魅かれて、ひっそりと片思いしていました。
でも、やっぱり身分が違いすぎますから、ご挨拶させていただく程度のささやかな交流を日々の楽しみにしていたんです。
やっぱり、好きな人には可愛いって思われたくて、ブライ様に会える日だけ、オシャレに気合入れたりしてました」

「そ、それは…えーと…」

ブライは益々オロオロしている。
目を点にしていたアルは、暗い視線でブライを睨みつけていた。

「それがいけなかったのか…アルノート様の目に留まってしまった次第です。
私、自分で言うのも何なんですけど、低身長童顔巨乳っていう、ある種の男性からものすごい好かれる外見なんです。
だから、バレないようにずーっと地味にしてたんですけど、ブライ様だけには可愛く見てほしくて頑張ったら、全然違う人に好意を寄せられてしまって、しかもそれがこの国の王子っていう…。
『ヤバイ』って思ったときにはもう遅くて、身なりを地味に直したのに、アルノート様から声をかけられることが増えて、必死で逃げてたんですけど、逃げきれずこんな事態になってしまって…」

「な、なんということだ…」

アルは慟哭。
ブライは再びオロオロ。

「いっそ、遊びの女だと思ってくれれば良かったんですけど、やっぱり好きじゃない人とそういうことするのは無理で、拒否ってたら、そこがまたアルノート様のツボにハマったらしく…。
清純可憐なイメージ抱かれて…、でもアルノート様。これが私の本性なんです」

リリアはアルに歩み寄る。