悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「そ、それは…」

口ごもるリリア。

「リリア…」

アルは縋るような眼でリリアを見ている。

「言えないってことは、やっぱりあなたがアルに近づいたってことでよろしいですわね?」

「だから…」

そうよ。
リリアから近づかなければ、どうしてアルが彼女を気にいるというの?
あの手この手でアルにアプローチしたに違いないわ。

「結局、あなたは自分を正当化したいだけですわね」

「…もう、それでいいです。
それでいいので、婚約破棄はなかったことにしてください。
お願いします」

「なぜだリリア!
やっぱり君は僕を好きなんだろう!?
なら、僕と結婚してくれ!」

即行アルが物申す。
私だって黙ってはいられない。

「なんで私がリリア様のお願いを聞かなければならないのですか?
ある意味ご自分で蒔いた種。ご自分で責任をとってくださいませ」

「あー…そうだった…。この流れじゃダメだった…」

リリアは頭を抱えた。
本当に、何なのこの子は…。

「わかりました。白状します。白状するので、どうか考え直してください。
それから、私の答えで誰かに不利益が起こらないようにしてください。
お願いします」

深々と頭を下げるリリア。

「ですから、私にはあなたのお願いを聞く筋合いなどございません」

もう知りませんわ!
正直今後一切関わりたくない!

「アルノート様…。私が好きなのは…実は…ブライ様だったんです」

「えええええ!!!!!?!?!?」

ずーっと黙ってオロオロしていたブライが叫んだ。
アルは目を点にしている。
私は…心底バカバカしくなってきた。