なんてことなの…。
アルは私を公衆の面前で糾弾して、悪徳令嬢として晒すつもりだったなんて…。
アル…、なんでそんな酷いことをしようとするの…。
私が一体何をしたの…。

思わずアルを見ると、彼の視線はリリアにあった。
まだ泣いてる…。

「どうして…?」

無意識に言葉が出た。

「どうして?ねぇアル、私があなたに何をしたと言うの?
あなたのために、国のため、ずっとずっと頑張ってきたのに…。
なんでこんな仕打ちをするの?
なんでこんな、品も学もない子に夢中になってるの?
騙されてるって、わからないの?」

アルはこっちを見てくれない。

「だから、騙してないです。
それに、私から見たらジェリーナ様の方がずっと理解不能です。
アルノート様のためって本当ですか?
それが真実なら、なんでもっと優しくしてあげないんですか?
寄り添って支えてあげればいいのに。
否定から入られたら、そりゃ心折れますよ」

「あなたに何がわかるの!?」

アルには幻滅したけど、この子にはそれ以上に怒りを感じる。

「国を背負うものが、そんな弱気でどうするんですか?
あなたにわかってもらわなくて結構ですけど、責任がない立場の者が、私に意見しないでくださる…?
あなたは愛想を振りまいていればいいだけですもの。お気楽ですわよね」

ああもう、本当にこの子が嫌い。
嫌い嫌い嫌い!
なんで、アルはこんな子ばかり見るの?
あざとさに気付かないの?