悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

「リリア様。ウルティナ国の第一王位継承者に対して、そのような発言をして許されていると思っているのですか?
侮辱罪に当たりますよ」

ムカムカして、言わずにはおれなかった。

「あーあー、そういうところですよ!」

リリアの矛先が再び私に向けられる。
ま…負けるものですか!

「そういうところって、何がですか?」

私は姿勢を正してリリアを見下ろした。

「その、理路整然と正論を振り下ろすところ!
それが自分の役目だと言わんばかりの上から目線!
ついでに言うなら、努力で自分を正当化する姿勢!
そんなだから、アルノート様にそっぽ向かれるんですよ!」

なんて失礼な!!!

「…私にそんなつもりはございませんわっ!」

「じゃあ、どんなつもりなんですか?」

聞き返す!?そこ聞き返すの!?

「答える義務はありませんけど、教えて差し上げますわ。
私はあなたには想像できない程、日々勉強に尽力しておりましたの。
努力の正当化ではなく、努力の積み重ねによる当然の結果です。
アルの伴侶となって、この国を支えるべき者の義務として、血のにじむ努力を続けてまいりましたわ。
上から目線ではなく、ただ事実を述べているだけです」

リリアは口をつぐんだ。

当然だわ。
いろいろ喚き立ててるけど、あの子には想像も及ばない努力ですもの。
私に反論できるはずないわ。