悪役令嬢と誤解され王子から婚約破棄を言い渡されましたが私にどうしろというのでしょう?

ドレスを着替えて部屋を飛び出し、ルイザ様を探すために走り回った私。
ルイザ様はジェリーナ様と同じく公爵家の令嬢で、国王に代々仕えている家系だ。
にもかかわらず、ルイザ様は誰に対しても平等に接する人格者。
私のような下級貴族にも、気さくに挨拶してくれる素敵な女性だ。

2週間ほど前、ルイザ様から「困ったことはありませんか?」と声をかけられたことがある。
もしや、アホ王子の差し金かと最初は警戒したけど、純粋に私のことを心配してくれているようだった。

なんて気遣いが細やかな方…!!!

感動したけど甘えるわけにもいかず、そのときは「大丈夫です」と笑ってごまかしたけど…。
ルイザ様なら事情を説明すれば協力してくれるかもしれない。
私の話には聞く耳持たないジェリーナ様も、ルイザ様の言葉なら届くかも…。

助けを求めて何をするのか、まだ具体策は考えられていないけど、とにかくルイザ様を探していると、ジェリーナ様がルイザ様にすがって泣くところを見てしまったのだ。

毅然と振舞っていたけど、やっぱり相当傷ついたんだろうな…。

私は胸が痛くなった。
アホアホ王子め…。なにか制裁を加えてやりたい!

ジェリーナ様は泣いている姿を私に見られたくないだろうな。
そう思って、陰に隠れて待つ。
そして、ルイザ様が1人になったタイミングで声をかけたのだ。

そこで、簡潔に今までの経緯を説明する私。
ルイザ様は驚いた様子もなく、私の話を聞いてくれた。
そして、私が助けを求めると、快く引き受けてくれたのだ。

ほんっとーーーーに!ルイザ様って優しくて品があって素敵!!!