てるてる坊主を作っただけなのに、お天気男子の溺愛が止まらないのですが!

 晴人、時雨さん、八雲くん。
 

 ――また会いたい!!


 その瞬間、輝く光が天に届いて、止んでいく雨粒がきらきらと瞬く。雲は羽毛みたいな柔らかい色に変わって、空にちぎり絵を描いた。
 
「ななみ!」
 
「ななみさん」
 
「な、ななみさん……!」
 
 
「晴人、時雨さん、八雲くん……! 良かった!!」
 
 
 再び人間の姿になってくれた3人に、腕を広げて抱きつく。
 
「ななみさ、ぼく、僕っ、もう会えないかと……」
「ごめんね。怖かったよね……」
 
「でもななみならきっと大丈夫って信じてたからな!」
「晴人……ありがとう」
 
「ななみさんが無事で良かった。大変苦労をかけてしまいましたね」
「そんな……私こそお礼を言わないと。時雨さんのおかげで冷静になれたんですよ」
 
 お互いに抱きしめあったり手を握ったりしてねぎらいあう。
 
 不安だったのは彼らも同じなのに。
 
 私のことばかり心配してくれる優しい神様たちの気遣いが嬉しくて、いつしか涙がこぼれていた。
 
「ななみを泣かせたヤツはだーれだァ?」
 
 ずいっと割り込んできた鳴神が、晴人と八雲くんの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。

 さっとかわした時雨さんは、おやおやといつもの大人っぽい笑みを浮かべている。
 
「やーめろって、鳴神だってななみ泣かしたろーが!」
 
「そ、そうですよ。最後まで出てこないなんて酷すぎます……」
 
「あー、あれは、その……」
 
 ぐっと言葉に詰まった鳴神がうんうん唸りながら天を仰ぐ。
 
 全員で鳴神をじいっと見つめれば、何か思いついたらしい鳴神はさっと顔を戻してキメ顔をした。
 
「真打ち登場ってヤツだ。ヒーローは遅れて登場するもんだろ」
 
「ええっ? 鳴神さん、ヒーローのつもりだったんですか?」
 
「属性としてはライバルキャラに近いですよね」
 
「ヒーローっつったら俺だろ。太陽だぞ」
 
「……お前ら容赦ねえな。特に八雲」
 
 見栄を張りあう男子トークにくすくすと笑っていると、鳴神が手を差し伸べてくる。