てるてる坊主を作っただけなのに、お天気男子の溺愛が止まらないのですが!

 木のごつごつした節目が。
 
 歯のふちのギザギザが。
 
 目に飛び込んで焼き付くほどの明るさ。
 
 ひゅっと息が止まる。
 次に呼吸するより先に、遠くでドオンと空が唸った。
 
「これ、もしかしてヤバいやつ……っ!」
 
 木の下で雨宿りしていて感電した、なんてゲリラ豪雨の時によくきくニュースだ。
 
 これは雨宿りではないけれど、私は今、思いっきり高い木の真下にいる。
 
 学校には避雷針があるというけれど、それは校舎にいる時だけ有効な慰めの言葉だろう。
 
「鳴神っ、どこなの、鳴神、返事してっ!」
 
 私の声をかき消すように雨音が大きくなる。
 
 掻き分けた細い枝がパキパキ折れて、葉が顔にかかる。
 
「わっ、ぷ」
 
 口に入った。首の動きだけで振り払おうとしても、濡れてへばりついてうまくいかない。
 
「ん、もう! なんなの……っ」
 
 その時。
 
 びゅう、と冷たい風が吹き荒れた。
 枝がそれを避けるようにして二手に別れ、まっすぐ私の元へと吹き降りる。
 
「わっ」
 
 勢いのよすぎるその風は私の顔から雨粒と葉をさらうようにして通り過ぎていった。
 
「な……に、今の、っ!」
 
 思わず後ろを向いて風の行く末へと目を凝らす。
 すると――白いものが、それに乗って木から飛び出した。
 
「な、るかみッ」
 
 まるで鳥が巣から飛び立つように。
 がんじがらめになっていたものから抜け出すように。
 目にも留まらぬ速さでそれは、宙を舞った。