てるてる坊主を作っただけなのに、お天気男子の溺愛が止まらないのですが!

「そろそろ教室に戻らないと」
 
「そうだな」
 
「ええ」

 ぱたぱたと階段を下りていくと、ちょうど職員室からやってきた担任の先生と鉢合わせしてしまった。
 
 やばいっ

「何してるんだ御空、早く入れ」
 
「はいっ」
 
 教室の後ろ側から入ろうとして、はたと気がつく。
 
 
 ……鳴神たち、後ろにいるよね!?

 
「おい」
 
「はいい!?」

 過剰に反応してしまったら、先生は「いや御空じゃないぞ」と冷静に突っ込んでくる。
 
「後ろの男子4人……」
 
 ぎくうっと固まるが、気配だけでは彼らの動揺が感じ取れない。
 
 どうしよう。カンペキ部外者連れ込んじゃってる!
 
 制服なんてもちろん着てないし、髪の色とか時雨さんの大人っぽさとか、いろんな意味で浮くし!
 
 マラソン大会が中止とか、そんなの吹っ飛ぶ勢いで更に難問が降ってきた感じだ。
 
 恐る恐る後ろを振り向く。
 
 4人は意外と平気な顔をして先生にお辞儀をした。
 
「センセ、はざーっす」
 
「お、おはようございます」
 
「おはようございます」
 
「はよっす」

 鳴神、八雲くん、時雨さん、晴人が口々に挨拶する。
 
 えっ、この状況で自分たちは生徒ですと乗り切れるつもりなの!?
 
 ぽかんと口を開けながら先生と4人をきょろきょろ交互に見上げる。
 
 先生は……

「んー……ああ、転校生の天野(あまの)4兄弟か」

 転校生っ!?
 その設定どこからきたっ!?
 
「そうです。まだ制服が届いていなくて、すみません」
 
「ああ、そういう事情だったのか。それなら仕方ない。早く届くといいな」
 
 しれっと嘘を重ねる時雨さんに先生は何も疑問に思わないらしい。
 それどころか思いやりの姿勢まで見せている。
 
「まあ今日はマラソン大会が中止になったことだし、お前たち4人の紹介がてらホームルームはレクにしよう」
 
 その時、私の耳は待ち望んだ単語を聞きつけた。
 
「せ、先生っ! 今……マラソン大会中止、って」
 
「ああ。この天気じゃ無理だからな」

 
 や、や……

 
 やったーー!!!