あなたの姫は私だけ

しばらく歩き続け、気づいたら高級そうなマンションの前まで来ていた。


「ちょっと散らかってるけど入って」

「えっと…」

「いいから、早く」


男の人は私の背中を押して、中に連れ込んできた。

多分この人の家なんだろうけど…


「適当に座ってて」

そう言って、キッチンへと行く。


適当にって、どこに?

どれも高そうに家具で怖くて触れないし…ソファーも高級そうで座れませんが…


ただ、呆然と立ち尽くしてると

「突っ立ってないでここ座りなよ」

と、ソファーをトントンとしている。


「じゃあ、お言葉に甘えて…」


傷つけないように慎重に座る。

どうしてここに連れてこられたのか…

この人、仕事だったんじゃないの?

と、疑問に思うことがたくさんあった。