さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



そう腹を括った俺は、今までのプライドをかなぐり捨て、千歳との微妙な距離を詰めるように、グイと身体を寄せた。

ぴたりと密着する身体。同時に、千歳の身体に若干力が入ったのが分かる。


……ふぅん、効いてんじゃん。


あんだけ余裕ぶっておいて、いざ来られたら弱いんだ?

へー……じゃ、やっぱお前の余裕は演技だったんだな。


おおかた、さっきキスマを見られて狼狽えてたあっちの顔が素なんだろ?ったく、俺を煽るために純情なお坊ちゃまが無理しやがって。詰めが甘いんだよ。

調子づいた俺は、千歳の顔をわざとらしく覗き込んで、ここぞとばかりに煽ってやる。


「そっちこそ、余裕ねーしめちゃくちゃウブなくせにな。ホントはキスすらできない童貞くんなんじゃねーの?」


俺の言葉に、千歳の睫毛が微かに揺れた。