ってか、さっきから死ぬほど寒みぃし。さっき千歳がカーディガン一枚で寒そうだったからって、カッコつけて自分のパーカーを貸したのが悪かった。
4月のこの天気の中でYシャツ一枚とかフツーに拷問。かといってパーカー返せって言うのもダセェし、なんとかして千歳に悟られずに暖を取る方法は……?
そう思って周囲を見渡してみると、すぐそばの雑居ビルの軒下に自販機を見つけた。
……ちょうどいい。あそこで千歳に買ってやるふりをして自分もホットドリンクを買うか。
「おい千歳、寒いだろ。なんか買ってやるよ」
「え?別に…………あ、いや、ありがとうございます」
良かった、一瞬断られるかと思った!まぁ断られても押し切るけどな。
そんなことを思いながら、俺は千歳を連れて軒下の自販機に向かう。
雨除けに被ったデカいフードに埋もれ、てくてくと小さな歩幅で俺に着いてくる千歳。
