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──数分後。
「ゼェ、ゼェ……」
「大丈夫ですか?疲れてそうですね」
お前のせいだよ!!と怒鳴りつけたいのを、寸前で飲み込んだ。
さっきから俺が大人の余裕を見せつけようと試行錯誤しているにも関わらず、そのどれもが面白いくらいに上手くいかない。
暴走車の水撥ねから千歳を守ろうとして自分だけ水たまりに片足突っ込んだり、カッコつけたセリフを言いかけた瞬間ド強風で傘引っくり返ったり……もう既にプライドズタズタ、体はボロボロだ。
俺、生まれつき運には恵まれてるはずなのに……一体全体なんなんだよこのスーパーアンラッキーデイは。史上初レベルだぞ?誰かに仕組まれてるとしか思えねぇ、そうじゃなかったら呪いの類だろもはや。
と、満身創痍で息切れする俺を嘲笑うように、滝かよって勢いだった雨はいつの間にか小降りになってきて、傘に落ちる雨粒もぱらぱらと間抜けなものに変わっていた。
はぁ?今更機嫌直しても遅ぇんだよ、もっとちゃんと俺のために回ってる自覚持てよ世界。
