さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



ギ、ギ……とぎこちなく視線を斜め下に向けると。

俺の腕にぴたりとくっつくように、榛名千歳が身体を寄せてきていた。


土砂降りの雨音が、ぱたりと一瞬にしてかき消える。


なっ…………なんだ?近すぎね??

さっきまで付かず離れずの距離だっただろ……?

ってか、肩ほっそいなマジで……身体も妙に柔らかいし、少しくらい鍛えてないのかよ?


不意打ちの感触と匂いに当てられて、思考回路がどんどん迷走し始める。

おいこれ、一体どういう意図……下心?俺がイケメンすぎて魅力に当てられたか??

っていうか、もしかして……榛名千歳って実はゲイ?それで俺に抱いて欲しいの??

いやいやいや確かにツラが好みだとは言ったけど、俺は筋金入りのストレートなんだって。


「……っ、おい、無名だからって媚び売ってくんじゃねーよ」


ぎゅ、と傘を握り直し、なんとか揶揄うように絞り出した抗議。

千歳が、ふっとこちらを見上げた。