「別に忘れ物じゃねぇから!!早く行くぞ!!」
「え、一緒に帰るってことですか?」
「俺の傘係として任命してやるってことだよ。光栄に思えクソ野郎!!」
自分から誘っておきながら何故か驚いた顔をしてる千歳を無視して、フンと鼻を鳴らし踵を返す。
ちょうどいい。この機会に、男としての格の違いを思い知らせてやろう。
茉白に少し気に入られたくらいでイキってるみたいだけど、そんな余裕が今日限りで消えるくらい、俺のスマートな立ち居振る舞い&雄としての圧倒的な力量差を見せつけて──完膚なきまでに自信喪失させてやる。
そうすれば、二度と茉白に近づこうなんて考えなくなるはずだ。
そんな固い決意を胸に、俺は今世界で一番嫌いな男と肩を並べて家路につくことになったわけなのだが。
学校を出て、数分も経たないうちに──
俺は早くも、深刻な異変に気づき始めていた。
なんで、こいつ……
こんなにいい匂いがするんだ??
