さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



はぁ……コイツ、マッジで何考えてるか分かんねぇ。表情も読めないし、行動の意図も掴めないし……気色悪りぃな、ホント。

俺はすぐに視線を逸らし「車呼ぶからいい」とぶっきらぼうに返した。


組織の送迎って大袈裟すぎてキモいから使いたくないんだけど、さすがに榛名千歳と相合傘で帰るよりは数千倍マシだ。


そう判断した俺は、スマホを取り出すためポケットに手を突っ込んだ──

のだが。

そこには、何も入っていなかった。


……はぁ?

マジでツイてねぇんだけど。


慌ててバッグの中も探すが、見当たらない。内ポケットも外ポケットも全部ない。

嘘だろ?さっき峰間京と話してた時には確かに触ってたのに。どっかで落とした?

それとも、まさかあいつと話してる最中に──