「一年生のとこですよ?」
不意にひょこ、と背後から顔を出した人物に、ビクッと肩が跳ねた。
その男にしては少し高めの声、さらりと揺れる淡い髪、華奢で小柄なシルエット──
ギギ……とぎこちない動きで視線を合わせると、そこに立っていたのは、案の定。
「榛名千歳……」
「こんにちは」
ニコ、と感情の読めない笑みを浮かべてくる生意気な後輩に、俺は露骨に顔をしかめた。
ほんっと、今日ツイてねぇーー……。
なんでよりによって傘パクろうとしたとこでお前に出くわすんだよ。
しかもそのことを直接いじってくるでもなく、お察し顔でニヤついてるだけって……性格悪すぎんだろ。いつもみたいに煽るなら煽れよ。じゃないとこっちも否定のしようがねぇだろうが。
死ぬほど居心地が悪くなった俺は、なんとかして話を逸らそうと、興味もない質問を投げる。
