さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜




…………え?



あまりに急なことに理解が追いつかず硬直する私に、京は薄く微笑みかけて。


「前払いでいい?」


そんなことを言いながら、私の肩をソファの背に縫い止め、再度距離を詰めてくる。


「は?なっ、なに──んっ!」


再び唇を重ねられる。

今度はもっと深く、自分の存在を刻みつけるみたいに。

背もたれと京の体に挟まれて、逃げ場がない。

慌てて押し除けようとするけどびくともしなくて、むしろその行動を咎めるみたいに耳を塞がれ、キスに集中させられる。


「んっ、……っ、……だめ、だめだって……っ!」


息継ぎの合間に言葉だけ抗議するけれど、全然聞いてくれなくて、再度、角度を変えて深く重ねられる。

こんなところで駄目なのに、抵抗しなきゃいけないのに、意に反して身体から力が抜けていく。


そしてようやく解放されたかと思ったら、今度は首筋に唇が寄せられて。

そのまま押し付けられると同時に、ちり、と微かな痛みが走った。