寮の部屋でも、どういうアプローチが効果的かを教えてくれたり、助言をくれたり……たまに人心掌握術に長けすぎていて何者?って怖くなるときもあるけれど、今のところかなり心強い味方だ。
ただ、あまりに協力的すぎて、ちょっと心配しているのも事実。
あのとき、天馬さんの車の中ではかなり嫌そうだったのに、今は不満も一切言わずに手伝ってくれて……無理をしてないだろうか?我慢しすぎて辛い思いをさせちゃってそうで、すごく怖いんだけど。
そんなことを考えながら、ちら、と京に視線を移す。
すると、目が合っていないにも関わらず、まるで私の思考を読んだかのように涼しい顔で口を開く京。
「俺のことは気にしないで。最終的に千歳を守るのに必要なことだし……ゴネるだけ無駄でしょ」
もう私の懸念くらい先回りでお見通しらしい。さすが、伊達にルームメイト続けてきたわけじゃないな……。
京はメンタルが限界の時は暴走しがちだけど、それを除けばだいぶ話の分かるリアリストって印象。
今回のとかも、榛名優羽の話を踏まえ、理屈で必要なんだと理解すればちゃんと協力してくれるし……そういうとこが大人びてるなって思う。
けど、本当の京はすごく寂しがり屋なのを知ってるから、やっぱり罪悪感は拭えなくて。
ぎゅ、と自分のカーディガンの裾を握りしめて誤魔化そうとするけれど、やっぱり落ち着かない。
少しでも罪滅ぼしをしたいと思ってしまった私は、躊躇いながらも口を開いた。
