さっさと嫌いになってくれ〜アイドルオーディションで嫌われたい男装美少女、なぜか姫ポジ獲得?!〜



不安を誘うような鉛色の空から、ぽつぽつと雨粒が落ち始める午後二時頃。

私たちは、午後の授業をスキップして、作戦会議を進めていた。


学校にいながら授業をサボったのなんて生まれて初めてで、もし先生に見つかったらどうなるんだろうとソワソワしてしまう。

けれど、まあ京が隣にいればなんとかしてくれるだろうという妙な安心感と、霞攻略作戦の重大さを考えて、今ここにいる。


ちなみにここはどこかというと、教室とは反対側に位置する半個室の読書スペース。

吹き抜けに面しているものの、もともと日差しが届きにくい配置+採光がガラス屋根から差し込む自然光頼りなので、今この天気では全体的に薄暗い。頼りになるのは机に置かれた無駄にお洒落なスタンドライトくらいだ。


そんな空間の中で、私と京は低めのソファに並んで腰を下ろし、なんとか作戦第二フェーズの方針を練り上げ──

今ちょうど、ようやくひと段落ついたところ。

私は、京と話し合ったことをまとめたスマホのメモを見返しながら、小さくため息を吐いた。


「……ヘビーな作戦ができたね」

「んー……まーでも短期決戦ならこれくらいしないとね」


涼しい顔でそう言いながら、背もたれに背を預けてスマホをスクロールする峰間京。

この人、一見自由に人間関係をかき乱しているように思えるけど、実は入学式の時からずっと私の作戦に付き合ってくれている。